タイとの交流

「マイペンライ」とは、タイ語で「気にしないで、なんとかなるよ、大丈夫だよ」という意味です。
地球クラブの広報の名前でもあります。

 地球クラブでは地域に密着した活動だけでなく、タイの低地熱帯林保護活動への支援、子どもたちの教育支援などを行ってきました。そのために、スタディーツアーを行い、タイの熱帯林保護活動の取り組みや、その背景にある、現地民の人々、山岳民族の子どもたちとの交流を行ってきました。タイの現地民や低地熱帯林保護プルジェクトのスタッフ、海外からの留学生を招いての交流の機会もつくってきました。
 「ACT LOCALY THINK GLOBALY」 をめざして、人と人が海を越えてつながる基礎を培います。

低地熱帯林保護

 地球クラブ代表の小岩井彰は熱帯林保護活動を支援する「にっぽんこどものじゃんぐる」のメンバーとして1993年にガーニーズ・ピッタを守るために設立されたタイ国の熱帯林保護プロジェクト「カオノアチュチ低地熱帯林保護プロジェクト」と共に活動をはじめました。現地を訪れ、現地の人々の暮らしに目を向けながらプロジェクトや地元の人々とともに活動を展開しました。カオノアチュチはタイに残された最後の低地熱帯林、そこには多様な生態系がはぐくまれ、多種の動植物がが生息してます。ガーニーズ・ピッタは長い間、絶滅していたと考えられていた貴重な鳥です。

 タイの残された最後の低地熱帯林はカオノアチュチという名の山の裾野に広がっている森であり、そこにあるバンティオ村の人々との交流を地球クラブは行ってきました。バンティオ村の人々は保護区に指定されている森の木を伐採し、ゴムやアブラヤシの木を植えその収穫によって生計を立てている人が多いです。保護区に指定されているために違法な伐採を摘発しなければならない現状と家族の生活を守るために森林を破壊しなければ生活ができないという状況の間に、村の農民同士で争いが起こることもありました。

 そんなバンティオ村でゴム園やアブラヤシ園で働き、収入を得て暮らす一家の家にホームステイし、寝食・労働を共にしながら農民の生活を肌で感じながら、小岩井は、保護と開発の狭間で揺れる、心豊かなタイの森林破壊者の生活を感じてきました。家族を守るために豊かな生活を求め必死で働く村の人々の暮らしをとおして私たち日本人自身の生活の仕方を考えました。

 その概要は下記の小冊子をご覧ください。

 

「幻の鳥 ガーニーズ・ピッタ」(春風社/2003年) 
編 地球クラブ 絵 長野亮之介  解説 小岩井彰


 何度もバンティオ村に足を運び、村の人々と信頼関係を結んできた小岩井の縁で、地球クラブではバンティオ村の方や保護プロジェクトに関わるスタッフをお呼びして子どもたちとの交流活動も行いました。また、大学生や高校生が中心となってバンティオ村にホームステイしながら現地の農民の生活を体験したり、保護活動を展開する人の話を聞いたりする機会としてスタディーツアーも行いました。  現在、現地はタイの保護区に指定され、熱帯林観光の一翼を担う場になっています。今後も、スタディーツアーなどを企画し、交流を深めていきたいと考えています。

山岳地帯の子どもたちへの支援

 タイでは、たくさんの出会いがありました。山岳民族とその支援者中野穂積さんとの出会いもその一つです。

 タイには山岳民族と呼ばれる少数民族が北部の山間部に住んでいます。カレン族、リス族、アカ族など10ほどの民族がそれぞれ独自の文化や言葉を持ち、それぞれ特徴ある民族衣装もあります。政治的、経済的な事情によってミャンマーやラオスから入ってきた人がほとんどだそうです。不安定な収入で、まだまだ貧しい家庭も多く、山を離れて出稼ぎに行く人も増えてきたそうです。まだ国籍を持たない人が20~30%をしめ、タイ語が不自由な人も多いため、人身売買の被害にあうケースもあるようです。まだ村に学校のないところもあり、小さい頃から親元を離れ、寮生活を送りながら、町の学校に通う子どもたちも多いようです。

 低地熱帯林保護活動でタイ国の学生とも交流を行う中で、親元を離れて寄宿寮で共同生活をしながら学校に通う山岳民族の子どもたちの就学支援をしている日本人女性の中野穂積さんとの出会いがありました。中野さんの寄宿寮は「暁の家」という名前で、タイ北部のチェンライにあります。「暁の家」の子どもたちは、中学生、高校生の年齢のさまざまな民族の子どもたちが集まっていますが、決められた日課の中で、交代で食事を作ったり、農作業をしたり、掃除、洗濯等、勉強したりと協力し合いながら生活を共にしています。中野さんから日本語を学んでいる学生もいます。朝暗い中、ミサンガを編んだり、刺繍をしたりして伝統的な手工芸品を作って販売し、学校での費用や寮でのレクリエーション、ボランティア活動のために使っています。

ふるさと地球基金

 「ふるさと地球基金」は代表の小岩井彰と小学校6年生の子どもたちが1997年に作った基金です。「タイの人を日本に呼びたい!」という子どもたちの願いから始まりました。 作った大根を販売してお金を得たり、ジュースを1本我慢して「がまん募金」・・・といった子どもたちの小さな活動の積み重ねがスタートでした。
 現在は、小学校を卒業した子どもたちの想いを地球クラブが引き継ぎ、大学生スタッフ「ふくろうず」を中心に募金活動を行っています。

 地球クラブでは「暁の家」の子どもたちが作った手工芸品を販売してきました。「ふくろうず」は大学の文化祭で毎年手工芸品の販売を行っています。 売り上げ金は全て募金にしています。 また、地球クラブの活動で子どもたちと作った無農薬・有機栽培の大根を子どもたちが販売し、その売り上げを募金する活動もしました。

 他にも「暁の家」の就学支援活動を支援する 「ルンアルン(暁)プロジェクト」の支援(団体)会員として、基金の中からプロジェクトに募金をしています。

 これらは、「ふるさと地球基金」として大切に管理され、タイの熱帯林保護や山岳民族の就学支援に当てられてきました。

 2007年には基金が100万円を超え、タイのアカ族の村の保育園建設の費用の一部、「暁の家」への補助として寄付しました。保育園の建設の時には実際に現地を訪ね、ホームステイさせていただき、村の子どもたちや現地の方と交流しながら建設工事にも関わらせていただきました。アカ族の言葉が使われていましたが、共通語であるタイ語が話せないと将来町で働く時に苦労するという話を聞きました。そのためにも、村の子どもたちが保育園でタイ語を学ぶことが求められているようです。そのために村の保育園はとても重要な場所となっています。


 

2019年 タイスタディーツアー

2019年度 タイに地球クラブのふくろうずが行ってきた様子を紹介

 

以下のリンクから見ることができます!